医界寸評  PDF

医界寸評

参院選挙も終わり終戦記念日も近い

▼例年地区医師会との懇談会では協会が平和や原発について活動することに対する質問が出る

▼医師法には医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとするとある。医療だけなら平和も原発も医師の使命とは関係がなさそうだ

▼だが公衆衛生の向上増進ならどうか。60年代にはカネミ油症事件があった。放射性廃棄物程ではないにしろPCBという処分困難なものを作り出し被害者を出しただけでなく、今なお処理できないままに保管が続けられている。しかしこの頃は、環境への関心も高まり、チクロ、ズルチン、AF2、サリチル酸など多くの食品添加物が次々と規制された時代でもある

▼思慮を欠く経済活動等により有害なものが蓄積され、また戦乱などで公衆衛生が破壊されて健康な生活を脅かすならその解決に医師が手を貸すことは公衆衛生の向上及び増進に寄与する医師の使命ではなかろうか

▼協会も一種の職能団体であるから専門職としての待遇や利益を保持・改善するための活動をすることは当然である。だからと言って国民の健康な生活を確保するという本来の職能に関する活動を忘れるわけにはいかない

▼蛇足だが、今回当選した職能団体推薦の議員達にも利益保持だけではない視野と活躍とを期待したい(もちろん他の議員にも)。(MYCONOS)

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