医界寸評
安保法制への首相の入れ込み方が際立っている。アメリカで約束してしまっているためか、国会の会期をこれでもかというほど延長し、成立させずにおくものかというような状況である。また、その安倍首相の応援団とされる議員の暴走も、いろいろ起こっている。党内には止めようという人はいないのか、鳴りを潜めているのか、リベラルと思われていた人たちは何処に行ったのであろう▼一方、地方議会、特に町村議会から安保法制への意見書が多数出ているとのこと。その多くが、反対や慎重審議を求めているという。住民の意見が届きやすい規模の議会ならではのことと思われる。町村合併で大きくなると、住民の声が届きにくくなり、政党の影響が前面に出てしまって、安保法制賛成の意見書になってしまうのであろう▼党首討論で明らかになったが、首相は、ポツダム宣言の内容を知らないのである。自分の解釈であれこれ言っていたのであろう。安保法制のことでも、丁寧に説明と言われて、独自の考えで大丈夫と言われても、そうですかとはならない。本当に国民に分かる説明が求められる▼そちらに注目が集まっているうちに、経済財政諮問会議の骨太の方針や成長戦略が検討され、社会保障費削減が議論されている。TPP交渉も再開した。あちこちに目を向けねばならない。大変である。(門雀庵)