医界寸評  PDF

医界寸評

 医療版事故調のガイドラインが予定の期日を過ぎても公表されない。院内調査の報告の交付を遺族が希望した場合の取扱など、医療機関側・患者側と真っ二つに分かれてしまっている。協会が賛同した日本医療法人協会の提案に対して、医療過誤原告の会を始め、7患者団体が厚生労働大臣に対して反発を表している。患者団体は医療機関・医師への疑念が拭えないのだろう▼もちろん、医療機関側も過去の医事紛争・事故について反省すべきは反省しなければならないことは当然であるが、ごく一部に見られたカルテ改ざん事件等を一般化されては我々もかなわない。事故調の目的は「原因究明」と「再発防止」である。このことが見失われてはいないだろうか▼事故調を医師の責任追及の手段とするならば、なにも事故調をわざわざ設立させることはない。特に京都においては、協会や医師会等が、医療過誤の有無からその程度、賠償金額の目途まで検討して、医療機関側や場合によっては患者側にも助言をしている▼しかしながら、解剖をしていないがゆえに、死因が不明となりその判断に苦慮することがある。事故調は基本に戻り、「原因究明」と「再発防止」の原則に特化すべきである。今の議論は、医療機関側と患者側の溝を一層深めているとしか思えない。一医療人としてこれほど虚しいことはない。(フーちゃん)

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