医界寸評  PDF

医界寸評

 
 衆議院が11月21日に解散された。小学生の頃、当時の首相は長く続いた佐藤栄作氏から田中角栄氏へという時代だった。小学校の社会科で国会の解散という仕組みを習ったとき、「大人の事情」はよくわからなかったなりに、自らの身を切って信を問うという仕組みに感心したことを覚えている▼しかし今日、それが生かされているとは到底思えない。実際の政治で本当に信を問わなければならないときには、選挙を避けるため解散は行われず、選挙に有利な時期に解散されているように見える。また、政治家自身も党利党略を隠そうともしないようにも見える▼かつての政治家は党利党略があることは当然にしても、それを表に出さず、大義名分をもっと大切にしていたのではないだろうか▼国民を第一に考えた政治、とまでは贅沢は言わないが、せめて国民のことを考えてくれていると国民が感じられるような政治を期待したい▼自民党の政策についても、与党内での歩調を合わせるためか消費税増税に伴い軽減税率について触れているが、実際の運用の困難さは見て見ぬふりを決めこんでいるように思う。また何より思うのは、それが可能なのであれば、なぜ今まで医療機関の損税を放置していたのか。不信がつのる。小泉改革の二の舞にならないよう国民の賢明な審判を期待したい。(内)

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