医界寸評  PDF

医界寸評

 特定秘密保護法が成立してしまった。短期間に、各界から多くの反対意見が表明され、国会周辺などで「テロ」と言われるほどの抗議行動に多くの人が参加した中で、まともに審議したとは思えぬまま、議場内騒然で速記録も取れない中での強行採決であった▼その国会は、最高裁に違憲状態とされた衆議院と高裁ではあるが違憲とされた参議院で成り立っている。そんなところで決めた法律で国民の知る権利が縛られるのであろうか?当面、国政選挙はない、月日がたてば有権者は忘れてくれるとばかりに「今でしょ」と両院で多数を占めた数の力で安倍政権は暴走状態になってきている。自らの選挙区の議員がどう行動したかを記憶にとどめ、次の選挙の時に「倍返し」できる有権者でありたい▼TPP交渉は年越しとなったが、関税撤廃の流れの中で死守すると豪語していたことはどうなるであろう。秘密裏に話が進み、決定したのを聞いて「じぇじぇじぇ」となることがないよう望みたい▼富士山が世界遺産となり、プロ野球では楽天が優勝し東北に勇気を与えるなどいいこともあったが、武器輸出をしようとか戦争の反省から始まった戦後がドンドン遠くなっていく曲がり角の年のようにも思われる本年最後の寸評である。和食のおせちで「おもてなし」の穏やかな新年を迎えられますようお祈りいたします。(門雀庵)

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