医界寸評
病院などの医療機関を廃止するということは、利用する患者さんにとっては「健康になる権利」を奪われる大きな問題である。しかも、その医療機関が提供する医療が専門的なものであればなおさらだ
▼さらに公的医療機関であるなら、市民の健康を守る責任があるはずで、やりたい医療ではなく、やらなければならない医療を行うという姿勢、責任が必要である
▼一つの医療機関を廃止する時は、その施設と同程度、もしくはそれ以上の施設で、なおかつ今と同じ環境で患者さんが利用できるよう保障する必要があるのではないか。今、京都市身体障害者リハビリテーションセンター附属病院が廃止されようとしている
▼直接、利用者の声を聴く機会があった。障害があるということで、自分の責任ではないにもかかわらず、社会的に負い目を抱き、社会との関わりを遠ざけてしまう。こんな時に支えになったのがリハセンであり、ともに治療してきた仲間であった。そして、このことを通じて社会とつながりを保ち、未来への希望を持つことができたと語っていた。また、このことは家族の支えにもなったと思う
▼リハセンは、患者さん、そしてその家族を支えてきたのだと思う。京都市は患者さんや支える家族の声をきき、病院の廃止ではなく、今以上に機能を拡充し、障害がある人やその家族の支えとなってほしい。(治)