医界寸評
台風18号は京都府に記録的な大雨をもたらした。被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げる
▼9月26日消防庁災害対策室の発表資料によると、京都府では死者、行方不明者はともに0で不幸中の幸いであったが、住宅などの被害は多大である。堤防の工事の遅れが住民に知らされてなかったことが報道されている。また、京都府、滋賀県、福井県に出された「特別警報」の取り扱いに対する不手際が報道されているのが気になった。特別警報は今年の8月30日から運用が開始されたとのことなので、準備の時間が足りなかったのだとは思うが、一部の自治体では周知を行わなかったという。混乱を避けるために意図的に周知しなかった自治体もあると報道されている
▼東日本大震災で有名になった言葉に「津波てんでんこ」というものがある。津波が来たら取るものも取りあえず、家族のことも気にせずに各人が逃げるということらしいが、これは住民お互いが最善の判断をするという信頼感に基づいたものだという。自治体も混乱を避けるために情報を出さないなどというパターナリズムは止めて、情報を発信しても住民が混乱しないような日頃からの住民教育に努めていただきたい。また、住民も防災について他人任せにせずに、平時から防災に対する意識を高める努力が必要であろう。(内)