医界寸評  PDF

 口は災いの元という。「昔の口」は一寸口を滑らしたとか、親しい人に漏らした一言が身を滅ぼしたことも多かったようだが、「今の口」は自ら不特定多数の人にぶちまけるブログによるものがある。確信犯ともいえる。「病院は刑務所」と言った県議が自ら命を絶たなくてはならないような結果になった。県議先生は記者会見をして反省謝罪されたが…。それにしてもこれだけの反応があるということが想像できなかったのが残念だ。なんでもブログにぶちまけてストレスを解消する習慣は恐ろしい

▼iPS細胞から肝臓の細胞ができたというニュース。3Dコピーで臓器の完全模型ができたり、どんどん生命の神秘のベールを剥がしつつある現在、さぞかし天地創造の神様が苦笑されていることだろう。科学が進めば進むほど宗教的な面も出てくるのではないか

▼先々代法王の故ヨハネ・パウロ2世が聖人に列せられるというニュースがある。パウロ法王は宗教的な人はもちろん、誰しもが認める偉人だそうだが、その理由はパーキンソン病の女性を治した奇跡だという発表を聞いて驚いた。医学と奇跡。昔の科学者に信者が多いのは、当時の科学で解明できないので万能の神を信じたからと聞いたことがある。どんどんスピード化されビッグデータ分析もされていく世の中。10年後に残る神秘は何だろう。(名)

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