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寸劇交えてマイナンバーを解説

 協会は9月16日に、開業医の奥様向けセミナー“ミーミーサロン”を開催した。第3回目となる今セミナーでは、19医療機関21人が参加。マイナンバー制度の実務上の注意点などを、寸劇を交えた楽しい解説で学習した。

実務のポイント詳しく解説

 第1部では、ひろせ税理士法人の河原義徳氏を講師に、「院長夫人のためのわかりやすいマイナンバー制度」と題し、マイナンバー制度の概要を説明するとともに、「マイナンバーの収集・利用・管理・廃棄のために、決めないといけない『15』のこと」として、以下の実務上のポイントを、スタッフによる実演も交えながら詳しく解説した。

 まずは、マイナンバー(特定個人情報)の管理に関し、リスク管理・効率性・コストのどれを重視・優先するか、方針を決定する。取扱責任者、取扱・収集担当者を決め、業務の洗い出しをする。

 マイナンバーの収集時期としては、初回勤務(業務依頼・契約締結)時が実務上は妥当。既存従業員はマイナンバーを使用する時、リスト作成時等の収集が好ましい。また、マイナンバーの受取り方法については、対面か、郵送か、メールか、アップロードか、自院にあった方法を選択する。受け取った資料は特定個人情報となるので、しっかりとした保管が必要だとした。

 マイナンバーの収集時資料については、コピーを受け取った上で保存もしくは廃棄するか、その場で入力・転記して返却する等、保存・廃棄ルールを決定する。取扱い状況はそのつど記録することが大切で、ノートもしくはエクセル等の管理表、システムのログで自動的に記録するなど記録手段を決定する。

 管理媒体としては、紙媒体、データファイル(エクセル・PDF等)、クラウドサービス(インターネット上の保存システム)で管理する方法などが考えられ、利用記録手段や収集手段との組み合わせで考えると良い。

 特定個人情報ファイルを取り扱う情報システムやファイルを管理・保管する区域は、鍵のかかる部屋、キャビネット等にして、入退室を記録し制限をかける必要がある。入退室管理(ノート・エクセル等、IDカード)、入室可能者の限定、持ち込み機器(携帯スマホ・USB・袋や鞄)や持ち出し記録(ノート・エクセル等)の制限、鍵の管理など、管理区域のルールを決め、情報流出・紛失等があった時に、入退室した者が疑われない仕組みを作ることが大切とした。

 特定個人情報等を取り扱う事務を実施する区域においては、壁で仕切られた部屋、パーテーション等で分離された場所にするなど、容易に覗かれないよう工夫し、離席時・退社時のPCのパスワードロック・ログオフ、シャットダウンや、作業中資料の保管方法等、取扱区域におけるルールを決定する。また、取扱いに関するルールとして、出力(プリンタ、ファイルの限定等)、複製・上書き、ソフトウエア利用、バックアップルールなどの検討も必要とした。

 外部からの防御策については、監視カメラ・セキュリティーワイヤー・施錠できるキャビネットなど物理面、IDによるアクセス制御・ファイアウォール・セキュリティー対策ソフトの導入などシステム面で、できることから対策をとる。漏えいの防御策としては、郵送や持ち出し時、データやファクス送信時のルールを決める。

 廃棄については、廃棄する時期(法令で定められる保管期間に注意)、紙等は焼却・シュレッダー、データは溶解・物理破損・データ削除ソフトウエア使用等どの方法で廃棄するのかを決め、外部委託する場合は、廃棄の証明書を発行してくれる適正な委託先を選定すべきとした。

参加者同士の楽しい交流も

 第2部では、美味しい季節のフルーツタルトとコーヒーをいただきながら、マイナンバーへの対応方法について参加者同士で意見交換したり、ひろせ税理士法人の講師陣に質問したりと、さらに理解を深めた。

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