医業損益差額が過去最悪/赤字病院も増加、公私病連・08年病院調査  PDF

医業損益差額が過去最悪/赤字病院も増加、公私病連・08年病院調査

 全国公私病院連盟と日本病院会は2月25日、2008 年6月に実施した病院運営実態分析調査の概要を発表した。医業収益から医業費用を差し引いた100床当たりの医業損益差額は月約1260万円の赤字で過去最悪となった。赤字病院の割合も76.2%と、過去5年間で最高だった。公私病連は「病院経営は極めて厳しい局面に突入している」としている。

 調査は公私病連と日病が協力し毎年6月分を対象に実施。今回は3412病院に調査票を配布し、1206病院から回答を得た。回答病院のうち、自治体立は599病院、その他公的が262病院、私的が319病院などだった。

 10床当たりの医業収支については、医業費用は1億4869万8000円(前年比1.2%増)、医業収益は1億6368万91%減)で、差し引くと1260万9000円の赤字だった。医業収益に対する医業費用の割合は109. 3%(前年106.8%)となっている。医業収益の内訳を見ると、入院収入は9063万円(前年比0.1%増)と前年より増加したが、外来収入は3994万9000円(同3.6%減)に減少した。

 総損益差額で見た黒字・赤字病院の割合については、回答があった1180病院のうち23.8%(281病院)が黒字で、76.2%(8 9病院)が赤字だった。赤字病院を開設主体別に見ると、自治体立は93.3%、その他公的は63.4%、私的は54.5%。自治体立病院に対する地方自治体からの負担金は総収益から除いて計算している。

 08年6月中の1病院当たりの外来患者数は1万536人で、前年に比べ622人減少。過去10年間で最低となった。入院患者数は645人(前年比13人減)。

 一般病院の平均在院日数は19.6日、病床利用率は73.44%で過去5年間で最低。(2/26MEDI FAXより)

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