医政局は2450億5600万円、14.9%増/厚労省の概算要求
厚生労働省医政局の2010年度予算概算要求額は2450億5600万円で、09年度当初予算と比べて14.9%の増加となった。「救急医療・周産期医療体制等の確保」では355億円を計上。周産期医療対策で今年度当初予算より107億円増の149億円を計上し、周産期母子医療センターの機能強化を図る。医師確保対策では、勤務環境改善に向けた事業を継続するほか、診療科・地域偏在是正に向けて、医師不足地域での専門医研修の支援などを新たに盛った。
周産期医療関連では、ハイリスク妊婦に対応する「総合周産期母子医療センター」(全国75カ所)とそれを支える「地域周産期母子医療センター」(同237カ所)のNICU、MFICU(母体・胎児集中治療室)の機能や、救急搬送などへの財政支援を行う。長期入院児が在宅移行するための訓練を行う「地域療育支援施設(仮称)」をモデル的に設置する新規事業(2.3億円)も始めるとした。
救急医療体制の充実・強化では207億円を計上。救急医療機関に搬送された患者が急性期を脱した後、円滑に転院・転床するための施設間連携などを行う専任者の配置の支援(1.2億円)を新たに盛り込んだ。「超急性期」にある重篤な小児の救命救急医療を行う「小児救命救急センター(仮称)」(全国8カ所)の整備・運営事業に6.1億円を求めた。
医師確保対策関連は今年度比27億円増の498億円。医師不足診療科への支援として、救急を行う勤務医への手当や分娩取扱手当、救急医療などの診療科を選択する医師への研修医手当(最大月額5万円)の支給などは引き続き行う。新規事業では、来年度臨床研修見直しで研修希望者20人以上の臨床研修病院に義務付けた「産科・小児科の研修プログラム策定」を支援。都市部の病院が、医師不足地域の病院と連携して内科・外科などの専門医研修を行った場合の財政支援も新たに盛り込んだ。(8/28MEDIFAXより)