医師養成数「大幅増を」/医学部長病院長会議が声明
政府が6月18日に従来の医師数抑制方針を転換したことを受け、全国医学部長病院長会議は20日、医師不足解消には「抜本的な養成数の増加が不可欠」とし医学部定員増を求める声明を出した。
同会議は、団塊の世代が80歳前後になる2030年ごろに「患者数が増え医師不足はピークになる」と分析。15年までは定員増が必要とし、今後1カ月程度をかけ増員数を試算、国の財政支援も求めていく。
文部科学省は過疎地の医師不足に対応するため、暫定的に定員を増加。08年度から10年間で、地方の医学部定員を最大計395人増やす「緊急医師確保対策」などを実施している。
声明で国の方針転換を評価したが、小川彰会長(岩手医科大学長) は「医師増だけで問題は解決できない。医療費抑制の政策を転換しないかぎり、医療崩壊は深刻化する」と話した。【共同】