医師配置標準「40対1問題」暗礁へ/医療部会  PDF

医師配置標準「40対1問題」暗礁へ/医療部会

 7月20日の社会保障審議会・医療部会は、医療法の人員配置基準についても議論した。外来患者数に基づく病院医師の配置標準「40対1」の見直しについて山崎學委員(日本精神科病院協会長)は、見直しを具体化させるため医療法施行規則19条を検討する場の設置を求めたが、齋藤英彦部会長は「人員配置標準を緩める方向にいくのではないか」と懸念を示し、委員会の設置に対して厳しい姿勢を示した。

 40対1問題は、2010年12月24日の医療部会で日本医師会と四病院団体協議会が共同提案していた。山崎会長は、配置基準40対1問題に関連して「医療法の人員配置標準が診療報酬の標欠問題に連動する現行体系は疑問だ」と主張。入院基本料については配置数が標準の70%以下になって初めて減算されるのに対し、精神療養病棟入院料など精神科関連の特定入院料では配置標準を満たしていることが施設基準となっているため、標欠では同入院料などが算定できないなど不合理な面があると問題提起した。

 山崎委員は「例えば、外来分離の形で門前クリニックを開設し、外来患者をクリニックに集めるなど苦肉の策を講じている事象もある」と訴えたが、齋藤部会長は「門前クリニックをなくすことを考えればいいのではないか」とすげなく切り返すなど、医療法の人員配置基準の見直しには応じられないとの態度を崩さなかった。

 このやりとりに横倉義武委員(日医副会長)が、今後の議論とするようとりなしたものの、40対1問題は一歩後退した格好となった。

 厚生労働省がこの日提示した資料によると、09年度の医師の配置標準に対する全国の適合率は90.0%。ブロック別に見ると最も高いのは近畿の95.5%で、関東の94.4%、東海の92.6%と続き、北海道・東北は77.8%と80%を切っている。(7/21MEDIFAXより)

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