医師確保「喫緊の課題」/09年版厚生労働白書
政府は8月25日の閣議で、2009年版厚生労働白書を了承した。産科や小児科、へき地などでの医師不足の深刻さを取り上げ、「地域で必要な医師の確保が喫緊の課題」と位置付けた。具体的対策として09年度の医学部定員を過去最大の8486人に増員し、10年度も増員する方針を挙げたほか、病院勤務医の過重労働解消に向けた取り組みや、医療リスクに対する支援体制などを拡充する方向を示した。医師の負担軽減に向けて、09年度には関係職種との役割分担をさらに見直し、年度中にまとめる予定とした。
救急医療に関しては、救急患者が増大する一方で救急医療を行う医療機関が減少しているとした上で「地域の中核的な救急医療機関に負担が集中し、救急患者の受け入れに限界が生じていると指摘されている」と問題点を提示。09年度予算で夜間・休日の救急医療を担う医師への財政支援や、ドクターヘリの整備、患者の状態に応じて救急医療を行う「管制塔機能」を持つ医療機関の整備などを盛り込んだことを紹介した。
7月には「重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会」で救命救急医療を担う医療機関の整備や、小児集中治療室の整備などを提言する報告書を取りまとめたことや、救急医療と周産期医療に対する財政支援や周産期医療対策事業の見直し、地域の実情に応じた新生児集中治療管理室の整備などに対する提言をまとめたことも取り上げた。
介護に関する施策では、09年度介護報酬改定で改定率をプラス3.0%とし、介護人材の処遇改善に取り組む方針を示した。さらに09年度補正予算には、介護職員の処遇改善を図る事業者への助成などを盛り込んだとした。(8/26MEDIFAXより)