医師確保、前年度比1.7倍の272億円/推進枠決定、09年度厚労省予算案固まる  PDF

医師確保、前年度比1.7倍の272億円/
推進枠決定、09年度厚労省予算案固まる

 厚生労働省の2009年度予算案の全体像が12月22日、固まった。「重要課題推進枠」などから厚労省に702億円が追加内示され、20日の当初内示と合わせ09年度厚労省予算案の総額は08年度当初予算比13.7%増の25兆1568億円。社会保障関係費は同14.1%増の24兆6522億円となった。重要推進枠から配分された財源のうち、227億円を「医師確保・救急医療対策」に充て、医師確保関連の総額は08年度当初予算の1.7倍に当たる272億円に、救急医療対策関連は同2.1倍の205億円となった。

 「医師等人材確保対策の推進」には重要推進枠による追加分を含めて488億円(08年度当初予算比29.4%増) を計上。夜間・休日の救急や産科医療を担う医師への手当てや、へき地医療を担う医師の移動などに要する手当てに対する財政支援に取り組む。また、勤務医の勤務環境改善に関する総合対策に取り組む医療機関への財政支援などに37億円を盛り、働きやすい職場環境整備に早期に取り組む方針を打ち出している。

 救急医療対策を含む「地域で支える医療の推進」の最終的な計上額は504億円(同35.8%増)。「管制塔機能」を担う救急医療機関の支援に51億円、一般救急と精神科救急の連携強化に向けた精神科救急情報センターや精神科救急医療施設での精神保健福祉士の増員などに21億円を充てた。産科医や分娩施設の減少を踏まえ、出産数の少ない地域の産科医療機関に対する補助や、初期臨床研修修了後に産科を選んだ研修医に対する財政支援なども盛り込んでいる。周産期救急関連では、総合周産期母子医療センターへの「母体搬送コーディネーター」の配置や、地域周産期母子医療センターへの運営支援として13億円を計上した。

 重要推進枠による財源はこのほか、「難病対策」に76億円、「新型インフルエンザ対策」に69億円、「がん対策」に43億円、「認知症等総合支援」に32億円などを充てた。「難病対策」に関する計上額は上積み分を含めて1587億円(同3.7%増) で、難病に関する調査・研究費用として08年度予算の4倍に当たる100億円を計上した。

 09年10月から4万円の引き上げ方針を示している出産育児一時金については、重要推進枠から国保に対する財政措置として21億円を追加計上し、総計上額は79億円となった。厚労省保険局総務課によると、4万円を引き上げた場合に09年度に必要となる財源の総額はおおむね188億円。さらに市町村国保への地方財政措置による支援を要望しているが、国庫負担以外は各保険者の保険料を財源として引き上げることになる。(12/24MEDIFAXより)

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