医師派遣システムの構築を提言/被災者支援連絡協が要望
医療関係団体でつくる被災者健康支援連絡協議会は6月14日、松本龍防災担当相に要望書を提出した。要望には医療支援のための医師派遣システムの構築や精神的ケアの中核となる「地域こころのケアセンターの設置」などを盛り込んだ。提出後に原中勝征代表(日本医師会長)と横倉義武事務局長(日医副会長)が会見した。原中代表によると松本防災担当相は「積極的に意見を取り入れて支援していきたい」と前向きに回答したという。
要望は▽情報共有のための連携支援システムの構築▽被災者の継続的健康管理▽被災地の復興へ向けた諸課題▽財政的支援に係る方策▽その他―の5項目。
連携支援システムの構築では、被災県を通じた国による情報の一元化とその提供、身元確認についての検索ソフトの開発と全国統一化などを提言した。継続的健康管理では、避難所、仮設住宅での健診、リハビリテーション、栄養保持などの重要性を強調。看護職、栄養士、リハビリ専門職の適正配置を求めた。
復興への諸課題では、機能的・総合的な医療・介護の復興などを要望した。財政的支援では、被災地支援に参加した医療チームに対する災害救助法での費用補填のほか、被災した医療機関などを再建するため国の財政的補助が必要とした。原発事故の影響を受けている福島県の医療機関への補償にも言及した。その他では、薬剤や物資の調達・輸送の体制整備などに触れた。(6/15MEDIFAXより)