医師偏在の解消策に「ドクターフィー」
/ビジョン具体化検討会で話題に
7月30日の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」で、診療科による医師偏在の解消策として、医師への直接評価(ドクターフィー)の必要性を指摘する意見が上がった。診療報酬でのドクターフィーの位置付けを強く求める意見に対し、舛添要一厚生労働相は「ドクターフィーがいいことは認識している」としながらも、実現に向けた具体的な方法について議論を深める必要性を指摘した。
この日の会議で嘉山孝正委員(山形大医学部長)は、診療科間の医師偏在をめぐる課題の1つとして「どの科に行こうが同じインカムであれば偏在は解消されない。原因は医療費の仕組みにある」と指摘し、インセンティブを高めるためドクターフィーの制度化を強く求めた。高久史麿座長(自治医科大学長) も「具体的な方法としてドクターフィーを考える必要がある」と述べた。
舛添厚労相は、2008年度の診療報酬改定で勤務医の負担軽減対策の一環として「ハイリスク分娩管理加算」の評価の在り方を見直したことなどを取り上げながら、ドクターフィー導入の必要性に理解を示した。ただ、「診療報酬体系を抜本的に見直して、個々の医師に報酬が行く仕組みにできるかどうか」と実現に向けては課題が多いとの認識も示した。
岡井崇委員(昭和大医学部産婦人科学教室主任教授) は「過重労働緩和のため、医師の当直明け勤務の改善を図ってほしい」と訴えた。舛添厚労相は「労働大臣という立場で労働環境の改善は必要と思うが、一方で当直明け勤務を認めないと患者が困ることにもなる。苦悩している」と述べた。(7/31MEDIFAXより)