医師会に産業保健の調整機能/在り方検討会で厚労省提案
厚生労働省の「産業保健への支援の在り方に関する検討会」(座長=相澤好治・北里大副学長)は7月13日、地域の産業保健への支援事業を機能的に進める方策について協議し、産業保健推進センターなど複数のセンターによる事業を調整するための機能を新たに設ける方針で一致した。厚労省は、都道府県医師会に事務局を設置する概要を次回の検討会にも提示し、合意が得られた場合、モデル事業を実施する費用を2012年度予算の概算要求に盛り込む見通し。
この日の議論では産業保健推進センター、メンタルヘルス対策支援センター、地域産業保健センターによる混交した事業を効果的に実施するため、何らかの形で調整する必要があるとの意見で一致した。厚労省労働基準局の鈴木幸雄労働衛生課長は具体的な調整の担い手に触れ、実施主体は国が担うことを前提とした上で、都道府県医師会に必要な予算を付けて事務局を置く方策を例として示した。
今村聡委員(日本医師会常任理事)は都道府県医師会の力量の差を勘案し「全国的に同じ仕組みで行うことは無理。まずモデル事業として取り組むことは可能か」と質問すると、鈴木課長は「総論として合意できれば、どのような方法があるか検討したい」と応じた。
今村氏は検討会後、本紙に、医師会に事務局を置く案について「さまざまな事業が並列的に行われている現状は好ましくなく、整理するべき。今回の提案は医師会として望むところ」と歓迎する考えを示した。
厚労省はこのほか、次回会合で各支援事業を整理・統合した方策についても示したい考えだ。(7/14MEDIFAXより)