医師会と学会で第三者機関を/総合医認定で国保中央会  PDF

医師会と学会で第三者機関を/総合医認定で国保中央会

 国保中央会は4月19日、会内の「総合医体制整備に関する研究会」がまとめた報告書を公表した。総合医の認定機関として、日本医師会や関連学会などで構成する第三者機関の設置などを提言している。今後、医師になる人に加え、臨床経験のある医師についても認定ルートを確立する必要があるとし、これまでの活動実績などを踏まえた「柔軟な認定を行うことが求められる」とした。一定期間経過後の認定更新も「望ましい」としている。

 具体的な総合医の教育・育成システムとして、2年間の初期臨床研修修了後、3−6年にわたる「専門研修」の一環として位置付けることを提案した。総合医の専門研修は、病院と診療所による「研修施設群」で行われる必要があるとし、特に診療所での研修については6カ月以上、同一の診療所で実施されることが望ましいとした。

 一方、臨床経験のある医師の認定条件については▽地域住民によく見られる症状に幅広く対応▽初期診療に対応し、ほかの専門的な医療機関などを適切に紹介▽住民・患者と継続的な関係を維持▽住民・患者の疾病予防や健康づくり―の4つの役割に沿った形で設定されることが望ましいとし、「1人の医師が4つの役割をすべて果たせることが理想」とした。ただ、当面の間は「地域的な取り組みやグループとしての対応、ほかの総合医との協力連携の状況なども加味」する必要があるとした。

 報告書では、診療所の総合医の活動として▽都市部▽地方都市部▽農村部▽過疎地・離島など―の地域分類で、役割を整理。都市部では「複数の総合医が1人1人の持ち味を生かしながら、グループ診療の形で住民にサービスを提供することも考えられる」とする一方、過疎地・離島では「1人の総合医が、求められる役割や活動すべてを担う必要がある」とし、本来、病院が担うべき救急医療なども「ある程度、担わなければならない」とした。

●必要数、人口1000人当たり0.6−1.0人
 総合医の必要数については、諸外国の状況に疾病分類別の患者数などを加味し「おおむね人口1000人当たり0.6−1.0人が必要」と推計した。また、「これからの医療のイメージ」として、住民があらかじめ日ごろ受診する医師を決めておき、ほかの専門医の受診や入院は、その医師の紹介によるものとするなどの考えも盛り込んでいる。

 報告書は、近く厚生労働省に提出するほか、日医など関係団体にも送付する予定。(4/20MEDIFAXより)

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