医師ら783人原告に追加提訴/レセプトオンライン化訴訟  PDF

医師ら783人原告に追加提訴/レセプトオンライン化訴訟

 厚生労働省令で2011年4月から原則義務化されるレセプトのオンライン請求をめぐり、全国の医師らが国を相手取り、オンライン請求義務の不存在確認などを求めている訴訟で、新たに43都道府県の医師・歯科医師783人が3月18日、横浜地裁に追加提訴した。09年1月の1次提訴と合わせ、原告は1744人となった。

 訴えなどによると、原告らは「オンライン請求に対応できない医師・歯科医師を切り捨てれば、地域医療に重大な影響を及ぼす」と指摘。「省令は営業の自由を侵害しており違憲」などとして、オンライン請求の義務がないことの確認と、多大な費用負担を迫られたことによる精神的苦痛に対する慰謝料として1人当たり100万円の支払いを求めている。

 原告団弁護人の小賀坂徹弁護士によると、原告団への参加申し込みは増加を続けているといい、一定の人数に達した段階でさらに追加提訴を行う方針。

 また、1月の第1次提訴以降の動きを紹介。日本歯科医師会や日本医師会医療IT委員会が相次いで、レセプトオンライン請求義務化反対を表明し、国会でも与野党の議員から義務化見直しの声が挙げられ始めるなど、「オンライン義務化で地域医療崩壊が加速し、患者・国民のプライバシーにとっても問題ある制度だという私たちの訴えが大きく広がっている」とし、「4月に提訴が予定されている大阪での訴訟とも協力して、大きな運動にしたい」と述べた。

 また、原告団の入澤彰仁幹事長(神奈川県保険医協会理事)も「患者や国民からの声も上がってきており、問題の共有ができるようになってきた。今後も活動を通して一般社会の人に問題を分かってもらえるようにしたい」とした。

 裁判は、第1次と第2次の提訴が併合され、4月末までに第1回期日が開かれる見通しとなっている。

 提訴後に横浜弁護士会館で行われた記者会見にはマスコミ10社が集まり、テレビ神奈川がニュース報道したほか、朝日、読売、東京、神奈川などの各紙が報道した。

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