医師の需給推計やり直しへ/医療ビジョン具体化検討会

医師の需給推計やり直しへ/医療ビジョン具体化検討会

 厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」は8月23、24の両日、構成員側がまとめた報告書骨子案に基づく議論に入った。厚労省がこれまで示していた医師の需給に関する試算について「現実的でない」などの意見が相次ぎ、医師養成数について今後まとめる提言に「さまざまなパラメーターを含めて、厚労省が推計を行う」との方針を盛り込むことを決めた。

 医師の需給に関する厚労省の試算をめぐっては23日の会議で、嘉山孝正委員(山形大医学部長) が「(医師の就労時間が) 週48時間で収まっているなら、今の状況にはなっていない」と反発したほか、海野信也委員(北里大教授) も「ただ医師を増やせばいいのではない。急性期医療・高次医療を担える若手勤務医を増やすことが重要だ。単純な総論の議論は危険だ」と指摘した。

 こうした意見を受けて、舛添要一厚労相は「医師数のデータについては、女性医師、世代別、レジデントなどのパラメーターを組み込んだ場合、どういうデータになるのか、統計の専門家を含めて検討してみたい」と述べ、事務局に具体的作業を指示した。翌24日にあらためて示された骨子案では、自己研修や研究、休憩時間も含めた病院の滞在時間や、オンコールなど滞在時間以外の拘束時間も用いるなど、現状に即した推計をすることをうたっている。

 24日に示された骨子案では医師養成数について、中長期的ビジョンとして「可能な限り速やかに、少なくとも現在の定員の50%程度増員する」との方針も盛り込まれた。(8/26MEDIFAXより)

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