区分1は赤字やや改善、区分3は黒字額減少/慢性期の収支調査
厚生労働省は7月8日の中医協・慢性期入院医療の包括評価調査分科会(分科会長=池上直己・慶応大教授)に、2007年度実施した慢性期入院医療の実態調査のうち、コスト調査とレセプト調査の結果を報告した。コスト調査では、医療区分1の患者1人1日当たりの収支で赤字額は改善する一方、医療区分3に関しては黒字額が減少する傾向も顕著に見られた。
07年度と06年度の前回調査の両方に回答した10病院に限ると、人件費の一部に医療区分などによる手間のかかり具合を加味した場合、医療区分1の収支は、ADL区分1で1192円赤字(前回調査時1519円赤字)、同2で3459円赤字(同3546円赤字)、同3で3217円赤字(同3326円赤字)。一方、医療区分3の収支は、ADL区分1で5184円黒字(同5414円黒字)、同2で1195円黒字(同1860円黒字)、同3で563円黒字(同1297円黒字)だった。手間のかかり具合を加味しない場合も、ほぼ同様の傾向だった。
66病院、2980件分のレセプト調査では、医療区分1の患者の割合が20.4%(前回比5.1ポイント減)、医療3の患者が25.0%(同5.7ポイント減)となった一方、区分2の患者は54.5%(同10.7ポイント増)となった。72施設、640件分を対象に行った診療所レセプト調査では、医療区分1の患者割合は42.7%、区分2が52.0%、区分3が5.3%だった。(7/9MEDIFAXより)