北極の氷30年以内に消滅も/米研究チーム予測  PDF

北極の氷30年以内に消滅も/米研究チーム予測

 地球温暖化の進行で、夏の北極の海氷は2037年までにほぼ完全に消滅すると、米海洋大気局(NOAA)とワシントン大の研究チームが、4月3日付の米地球物理学会誌に発表した。

 2007年に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次報告書は「21世紀後半までに消滅するとの予測がある」としたが、より早く30年以内に現実になるとの指摘だ。

 北極の海氷面積は07年9月に観測史上最小を記録、08年9月には史上2番目に小さくなった。チームがこれら最新のデータを取り入れ、IPCC報告書で使われている気候モデルで再計算したところ、37年9月にほぼ消滅するとの結果が得られた。

 夏に海が拡大することで吸収された熱が、秋以降に海から大気に放出されて気温が高くなり、それが海氷の融解を加速する現象が起きているという。

 チームは「温暖化以外の、自然変動による不確実さも考慮に入れると、20年代後半には消滅する可能性もある」と指摘している。【ワシントン4月3日共同】

ページの先頭へ