勤務医限定セミナー開く 給与所得者の節税ポイントなどを解説  PDF

勤務医限定セミナー開く 給与所得者の節税ポイントなどを解説 

 協会は12月13日、税理士法人FP総合研究所の大久保雅之税理士を講師に迎え、勤務医に限定した初めてのセミナー「うっかりしてませんか? 押さえておきたい確定申告のポイント〜勤務医ができる所得税対策から相続税対策の基本〜」を開催。出席は9人。
 冒頭、大久保税理士は最近の税制の流れとして、企業に対しては法人税を引下げるなど減税を施す傾向にあるが、その一方で個人に対しては所得税や相続税において増税を強いる傾向にあると説明。セミナーでは、そういった状況を踏まえつつ、所得税や相続税の負担感を少しでも和らげるための節税ポイントを解説した。
 
給与所得者に恩恵ある制度を紹介
 
 まず所得税について、勤務医は給与所得者ということもあり、節税対策を講じることはなかなか難しい。しかし、そのような中でも納税者にとって数少ない恩恵を受けられる制度である「住宅ローン控除」や「医療費控除」、あるいは勤務に直接関係のある支出が生じた場合に控除が受けられる「特定支出控除」、各自治体に寄付することで所得税・住民税の控除が受けられる「ふるさと納税」のポイント等を紹介、活用を推奨した。
 
相続は生前贈与の活用を
 
 次に相続税については、2015年1月の改正により基礎控除の引下げや税率の引上げなどが行われ課税対象の層が広がった。しかしその一方で、贈与税においては20歳以上の人が直系尊属から贈与を受けた場合は税率が軽減されるなど、今後の相続税対策としては、贈与対策が非常に重要な位置づけとなると述べ、節税対策として生前贈与をうまく活用する必要性を説いた。
 具体的には、資産状況によっては基礎控除の範囲内で毎年少しずつ贈与することの他、相続税との負担を比較の上、基礎控除額を超える贈与をすること、あるいは20歳以上の子どもや孫への住宅取得等資金のための贈与や30歳未満の子どもや孫への教育資金の一括贈与に関する非課税特例を上手に活用することを薦めた。ただ、最近の税務調査で贈与が認められないケースが頻繁に起きていることもあり、「資金移動を明確にする」「親の印鑑等で管理しない」など注意点を示し、税務調査で否認されないようにしっかりと管理することの重要性を説いた。
 
生命保険・不動産活用した節税も
 
 その他にも、生命保険や不動産を活用した節税対策も併せて紹介した。なお、相続税対策を行う前のポイントとして、必ず所有資産の現状をしっかりと把握した上で、どういった対策が必要かを見極めることが肝要であると述べた。
 最後の質疑応答では、出席者が現在抱えている悩みについての相談や具体的なアドバイスを求められるなど節税に対する関心の高さが垣間見られ、知りたかったことを聞けて大変参考になったとの声も聞かれた。

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