勤務医負担の軽減、乏しい実感/中医協、08年度改定影響調査  PDF

勤務医負担の軽減、乏しい実感/中医協、08年度改定影響調査

 厚生労働省は4月15日の中医協・診療報酬改定結果検証部会で、2008年度改定の影響に関する特別調査のうち病院勤務医の負担軽減に関する調査結果を示した。「入院時医学管理加算」「医師事務作業補助体制加算」「ハイリスク分娩管理加算」のいずれかの施設基準を届け出ている病院のうち、約半数が医師への給与面などの処遇改善に取り組んでいたほか、医師事務作業補助体制の整備や看護師などとの業務分担に取り組んでいる病院が多かった。ただ、勤務医にとって、負担軽減に対する実感は乏しい現状が明らかになった。

 3加算のいずれかを届け出た全1151施設と勤務医らを対象に調査し、516施設から回答があった(回答率44.8%)。経済面での処遇改善に取り組んでいたのは全体の45%で、このうち75.4%が手当を、36.2%が基本給を増やしたと回答した。基本給を増やした施設のうち医師全員を対象としたのは44.0%、特定の医師を対象としたのは52.4%だった。

 一方、勤務医のうち基本給が改善されたと答えたのは12.0%、手当が増えたと答えたのは7.6%だった。白石小百合委員(横浜市立大教授)は結果について「勤務医と施設側の認識の差に加え、病院内で広く薄く配分された可能性もある」と指摘した。

 3加算の要件となっている勤務医負担軽減計画や業務分担による負担軽減の効果は、勤務医や各診療科責任者のおおむね5−6割が「あった」と回答したが、1年前と比べて勤務状況が「改善した」と答えたのは勤務医の14.3%、診療科責任者の13.2%にとどまった。逆に「悪化した」と答えたのは勤務医の34.8%、診療科責任者の37.8%だった。

 医師の1カ月の当直日数は2.78日で前年より0.14日短縮した。ただ、救急科(5.48日)、産科・産婦人科(4.51日)、小児科(3.48日)などが全体の平均を大きく上回る傾向は前年と同様で、変化はなかった。

 この日の部会では、08年度改定の影響について09年度に実施する調査項目を決めた。(1)明細書発行の一部義務化の実施状況(2)医療機能の分化・連携に与えた影響(3)回復期リハビリテーション病棟入院料で導入された『質の評価』の効果の実態(4)歯科外来診療環境体制加算の実施状況(5)ニコチン依存症管理料算定機関での禁煙成功率(6)後発医薬品の導入状況―の各項目で、いずれも5月に調査機関を選定し、7−8月に実施。11月までに結果をまとめる。(4/16MEDIFAXより)

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