勤務医の負担「増えた」44%/全国医師ユニオン調査  PDF

勤務医の負担「増えた」44%/全国医師ユニオン調査

 勤務医の労働組合である全国医師ユニオンは11月18日、「勤務医労働実態調査2012」の集計速報値を公表した。それによると、過去2年間で勤務医の業務負担が「増えた」と感じている人は44%に上ることが分かった。「変わらない」は39%、「減った」は17%にとどまった。ユニオンは「多くの医療機関で労働基準法が無視され、長時間労働問題はほとんど解決していない。厚生労働省は勤務医負担軽減策を進めたとしているが、現場の負担感は増加している」とし、根本解決のために医師数を増やすべきだと主張している。

 調査はユニオンが日本医療労働組合連合会に呼び掛け、2012年4月に実行委員会を立ち上げて実施した。国内の主要学会に調査協力を呼び掛け、医師不足が深刻とされる診療科関連の日本小児科学会、日本救急医学会、日本麻酔科学会、日本神経学会の4学会がアンケートに応じた。調査期間は12年6−10月。有効回答数は2108件だった。

 ユニオンが調査結果を分析したところ、全ての地域と診療科で勤務医の業務負担が増加している傾向が見られた。長時間労働と大きく関係する当直について尋ねたところ、回答者の89%は「交代制勤務がない」と答えた。また、当直明け後に「1日勤務」している医師も79%に上った。

 当直や日直の勤務内容を尋ねたところ、「通常業務はほとんどなし」は15%にとどまり、「通常より少ない」は53%、「通常と同じ」は32%に達した。「自分の病院で医師不足を感じている」との回答は83%。医師養成数については「OECD並みに増やすべき」が25%、「もう少し増やすべき」が38%だった。「現在の養成数で十分」は24%、「分からない」は13%となった。

 「残業代を全額請求している」と回答した人は30%にすぎず、「労務管理に関して詳細な契約書がある」と答えた人も25%にとどまった。ユニオンは今後も集計結果の分析を行い、13年3月をめどに詳細をまとめて政策提言する方針だ。(11/20MEDIFAXより)

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