勤務医の労働環境改善を要望/全国医師連盟・ユニオンが厚労省に  PDF

勤務医の労働環境改善を要望/全国医師連盟・ユニオンが厚労省に

 全国医師連盟(黒川衛代表)と全国医師ユニオン(植山直人代表)は5月17日、勤務医の労働環境改善を求める要望書を厚生労働省に提出した。要望書では、多くの医療機関で労働基準法が無視されていると指摘し、早期の環境是正を訴えている。

 連盟とユニオンは2008年末から09年初め、全国の基幹病院を対象に、直近1年半に結ばれた時間外・休日労働に関する協定(36協定)の調査を実施。協定内容が労働基準監督署から開示された1091病院のうち168病院が、一般に「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働を定めていた。

 調査結果を受け、要望書では、公的医療機関における36協定の内容公表や、1カ月80時間以上の時間外労働を定めている医療機関への改善指導などを求めた。さらに、勤務医の労働環境改善に関する検討会を厚労省内に設置するよう要望した。

 また、ユニオンはこの日、36協定調査で時間外労働が「1カ月100時間」か「3カ月300時間」を超えていた公的側面の強い医療機関について、実名を報道機関に公表した。公表されたのは73医療機関で、最長で1カ月200時間や3カ月600時間の協定を結んでいた病院もあった。16の国立病院機構、12の東京都立病院、11の兵庫県立病院も含まれており、実名は近日中にユニオンのホームページに掲載される予定だ。ただ、調査時期から1年以上経過しているため、協定内容が改善されている可能性もあるという。(5/18MEDIFAXより)

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