勤務医の処遇改善へ7カ条/日医、休息時間の確保など提案
日本医師会の今村聡常任理事は9月2日の定例会見で、「勤務医の健康を守る病院7カ条」を発表した。勤務医が働きやすい環境をつくるには、医師の休息時間の確保や、医療事故に対する組織的な取り組みが必要と提案している。この提言は、病院団体を通じて勤務医などに広く配布していく方針だ。
病院が心掛けることとして▽医師の休息が、医師のためにも患者のためにも大事と考える▽医療過誤に組織として対応する▽子育て、介護をしながらの仕事を応援する―などを提案した。交代勤務態勢を取るなど、勤務医が休養できるよう配慮することが、医師の能力や病院の機能を充実させるために必要と主張。医療事故に関する訴訟などに病院が組織として対応することも、医師に安心感を与え、医療の質の向上につながるとしている。勤務医の子育て支援体制の拡充なども、女性医師確保などに有効としている。
勤務医自身が健康を維持するために心掛けるべき「医師が元気に働くための7カ条」も作成。▽睡眠時間を十分確保する▽体調が悪ければためらわず受診する▽ストレスを健康的に発散する―などを挙げた。
日本医師会は2009年2月20日−3月6日に、勤務医の会員9969人を対象に「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」を実施し、3879人から有効回答を得た(回収率38.9%)。2つの提言は、調査結果を踏まえて作成した。
調査報告書によると「少なくとも週1日の休日と、年次有給休暇が取れるようにすることが必要」と考える医師は89.1%、「医療事故に関する訴えに組織的に対応し、医師個人の責任に固執しない再発防止策を進めることが必要」と考える医師は89.1%を占めた。また、自分自身の体調不良について53.3%の医師が「他の医師にまったく相談しない」と答えた。「体調不良の相談をしない理由」を聞いたところ、「自分で対応できる自信がある」が5割を超えて最も多く、「同僚に知られたくない」が1割程度あった。(9/3MEDIFAXより)