前年同期比で収益6.26%増/日病調査、8割の病院が増収
日本病院会(堺常雄会長)は11月19日、会員病院を対象とした診療報酬改定影響度調査(速報版)を公表し、2010年度改定で8割を超える病院の診療収益が増収となり、収益の平均値は全体で前年同期比6.26%増だったことを明らかにした。
調査は日病の会員病院2490病院を対象に6月末から7月末にかけて実施し、10年6月と09年6月の月別の診療収入などを聞いた。30.8%に当たる768病院から回答を得た。
「入院+外来」の収益は81.6%の病院で増え、前年同期比での収益の平均値は6.26%増となった。入院だけを見ると、80.7%の病院が増収となり、収益平均値は前年同期より7.39%増となった。外来だけを見ると、増収となった病院は70.6%で、収益平均値は3.63%増だった。
診療収益を病床区分別で見ると、「入院+外来」では一般病院が6.31%増、療養・ケアミックス病院が6.02%増、精神病院が2.01%減だった。マイナスとなった精神病院は回答数そのものが9病院と少なかった。
1病院当たりの診療収益を見ると、病床規模が大きくなるほど増収となった病院の割合が高かった。「入院+外来」で増収となった病院は99床以下で73.8%だったのに対し、500床以上では87.7%に達した。
収益の前年同期比では300−399床が最も高く7.29%増だった。また、1人1日当たりの診療収入単価は、500床以上で前年同期比7.03%増と最も高かった。ただ、DPC対象病院に限って見ると、99床以下が10.16%増と最も高かった。
今回の結果について堺会長は、これまでできなかった人員確保や設備投資ができるとしながらも、全体では医療費用は依然収益を上回っていると説明。「プラス改定で収益が増えたと言われるが実情はなかなか厳しい」と強調した。調査では入院基本料や加算など届け出項目ごとの状況も調べている。(11/22MEDIFAXより)