制度改正への議論、大詰めへ/社保審・介護保険部会
厚生労働省は10月7日の社会保障審議会・介護保険部会(部会長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大教授)に、次期制度改正に向けたこれまでの議論の論点や意見を整理した資料を示し、委員からさらに意見を聞いた。2011年度末での介護療養病床の廃止を撤回する方針が示されたことを受けて行政への不信感を表す声や、施設整備を拡充する必要性を指摘する意見などが上がった。
厚労省が示した議論の整理では、介護療養病床について「方針を変えて(廃止の)延期などの結論を出すことは、行政への不信につながる」との意見が上がった一方、「介護療養のようなタイプの施設が必要なら、介護療養は残すべき」との意見も上がったとした。施設類型にかかわらず、入居者の状態に着目して、訪問看護などの医療系サービスを提供できる仕組みを検討すべきとの意見なども上がったとした。
●処遇改善交付金、「公費対応」か「介護報酬」か
介護職員処遇改善交付金に関する議論については、「恒久化をお願いしたい」との意見や「介護報酬に組み込むべき」との意見があったとした。
桝田和平委員(全国老人福祉施設協議会介護保険委員長)は同交付金について、第5期介護保険事業計画の期間は基金による国費での対応を継続することを提案し「その中で消費税がらみの、社会保障費の大きな財源の中で検討していただくことが現実的」とした。一方「介護職員の方々が本当に働き続けられる労働環境をつくる上でも、介護報酬改定の中で考えていくべき」(田中雅子委員・日本介護福祉士会名誉会長)との意見もあった。(10/8MEDIFAXより)