利用者負担見直しや内部留保など指摘/介護関係の政策仕分け  PDF

利用者負担見直しや内部留保など指摘/介護関係の政策仕分け

 政府・行政刷新会議による提言型政策仕分けのワーキンググループBは11月22日、介護保険制度を取り上げ、現役並みに所得がある高齢者らの利用者負担見直しや、40−64歳が払う保険料への総報酬割導入などを盛り込んだ評価結果をまとめた。介護保険の費用負担の在り方などが議論の俎上に載り、財政当局が示した論点の方向性とおおむね一致する評価結果となった。

 評価結果では、介護職員の処遇改善について「一時的な交付金よりも介護報酬の中で対応すべき」と指摘。事業者の内部留保の活用にも言及し「データや、それが適切な水準であるかどうかについて、介護報酬改定前までに行政刷新会議に報告すること」とした。現役並み所得の高齢者の負担割合を見直すとともに、65歳以上の低所得者に対する保険料軽減策の強化も提言。軽度の対象者に対する生活支援についても、保険給付の在り方を見直すべきとした。施設中心から住宅介護中心に移行すべきとの見解も盛り込んだ。

 評価者からは、物価や民間企業の給与の下落状況を踏まえて「(介護職員処遇改善交付金を)介護報酬本体に飲み込むとしても、全体の介護報酬引き上げをしてよいかということは極めて慎重に検討しなければいけない」(土居丈朗氏・慶応大経済学部教授)などの声が上がった。特別養護老人ホームなどを経営する社会福祉法人の内部留保をめぐり問題意識を示す声も上がり、厚生労働省は現在、調査中であることを明らかにした。

 論点となったのは?介護保険制度を長続きさせるための方策?介護職員の処遇を改善するための方策?サラリーマンの介護保険料の分担方法はどうあるべきか―の3項目。介護職員の処遇改善をめぐっては、評価者全員が「介護報酬の中で対応」と判定。「事業者の内部留保で対応」との判定も3人いた(重複あり)。(11/24MEDIFAXより)

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