初診時に自覚症状なし、悪性新生物が40.8%/11年受療行動調査
厚生労働省は2月26日、「2011年受療行動調査(確定数)」の結果を公表した。患者が外来を初めて受診し、医師の診察を受けた際に「自覚症状がなかった」ケースを傷病分類別に見たところ、最も多かったのは「悪性新生物」(40.8%)だった。2位は「内分泌、栄養および代謝疾患」(40.4%)。「新生物」の部位を見ると、自覚症状がないケースが最も多かったのは「気管、気管支および肺」(54.9%)。さらに、「前立腺」(53.8%)、「胃」(49.9%)、「肝および肝内胆管」(42.9%)と続いた。
この調査は、医療施設を利用する患者に対して、医療を受けた時の状況や満足度などを調べているもの。今後の医療行政の基礎資料として活用する。調査期間は11年10月18−20日のうち、医療施設が指定した1日。調査員が患者に調査票を配布し、記入してもらった。調査票の配布数は19万2885件で、有効回答数は15万620件。回収率は79.0%。
調査では、悪性新生物のセカンドオピニオンについても聞いた。外来の調査で、患者がセカンドオピニオンの必要性を感じている悪性新生物の部位は「肝および肝内胆管」と「気管、気管支および肺」(34.6%)が同率トップ。さらに、「胃」(31.2%)と続いた。一方、入院での調査によると、セカンドオピニオンの必要性が最も高い部位は「子宮」(51.7%)だった。2位は「乳房」(50.2%)。
●診察時間は初診時が長め
診察までの待ち時間を尋ねたところ、「30分未満」という回答は初診で41.0%、再来で44.8%となり、再来の割合が高かった。待ち時間が「30分以上」という回答は、初診が42.0%、再来が41.5%で同程度の割合となった。
また、診察時間が「10分未満」という回答は、初診が46.9%、再来が53.7%だった。逆に診察時間「10分以上」は初診が32.5%、再来が29.5%となり、初診の方が診察時間が長い傾向が見られた。(2/27MEDIFAXより)