出産育児一時金の直接支払い「資金繰りに不安」/産婦人科医会  PDF

出産育児一時金の直接支払い「資金繰りに不安」/産婦人科医会

 日本産婦人科医会の加納武夫常務理事は、9月9日の記者懇談会で、10月から始まる出産育児一時金の直接支払い制度について「医療機関への入金遅れによって、個人の開業医らは融資を受けないと厳しい状況もある」と指摘した。出産育児一時金制度の見直しに対しては「妊婦のためには良い制度だということは、産科医は十分、理解している」とした上で、直接支払い制度の導入による資金面での影響に懸念を示した。

 政府は10月から出産育児一時金を4万円増額するほか、妊婦の経済的負担の軽減や未収金対策の観点から、保険者が医療機関に一時金を直接支払う制度を導入する。この制度では、支払機関から病院や診療所に入金されるまで2カ月ほどかかるため、医療機関が一時的に資金不足に陥る可能性があるという。

 愛知県産婦人科医会が同県の医療機関に対して実施したアンケート結果(9月8日時点で公的・個人病院、診療所の計93施設が回答)によると、一時金の入金遅れに対する資金繰り(金融機関からの融資)が必要としたのは33施設。うち17施設が「3000万円以上の融資が必要」と答えた。10月1日以降の制度導入に対し「まったく無理で、新制度に反対」と回答した医療機関は12施設あった。(9/11MEDIFAXより)

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