処遇改善、制度見直しで見解さまざま/社保審・介護保険部会  PDF

処遇改善、制度見直しで見解さまざま/社保審・介護保険部会

 厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会(部会長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大名誉教授)は11月15日、社会保障・税一体改革に盛り込まれた介護分野の制度見直しなどについて継続審議した。2012年度以降の介護職員処遇改善交付金の扱いや、40−64歳が払う第2号保険料への総報酬割の導入、利用者負担増の是非などをめぐり、委員間で見解が分かれる状況が続いた。同部会は次回会合で、これまでの審議内容を整理する予定だ。

 12年度以降の処遇改善交付金の扱いをめぐっては、介護職員の離職率低下や事業者の収支差率改善などの状況を踏まえ「交付金措置を継続する必要はない。介護報酬の中に取り込む必要もない」(藤原清明参考人・経団連経済政策本部長)との指摘があった一方、「介護報酬に組み込んで事業者の自主的な努力で改善すべきというような話だが、(現状では)夢のような話」(伊藤彰久委員・連合生活福祉局長)との声もあった。「交付金の取り扱いについて、政治判断がないまま今日を迎えたことは誠に遺憾」(齊藤秀
樹委員・全国老人クラブ連合会理事)との指摘もあった。

 利用者負担の見直しについても見解が分かれ、「介護保険部会のみならず医療、年金でも現役世代の負担増による施策ばかりが目立つ半面、給付の重点化、効率化といった適正化対策への取り組みが不十分」(布施光彦委員・健保連副会長)との意見が上がった一方、「利用者負担を増やすことは『受難者負担』を増やすことで、介護の社会化に逆行する」(三上裕司委員・日本医師会常任理事)との声もあった。

 厚労省が会合に示した論点は▽介護納付金の総報酬割導入▽要支援者の利用者負担見直し▽ケアマネジメントへの利用者負担導入▽一定以上の所得者の利用者負担割合引き上げ▽多床室の給付範囲見直し▽補足給付での資産などの勘案▽「介護施設の重点化」の観点からの検討―など。(11/16MEDIFAXより)

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