再診料引き下げ示唆に一斉反発/各地の保険医協会
厚生労働省の政務三役が診療所の再診料の引き下げを示唆していることについて、各都道府県の保険医協会が一斉に反発している。再診料の引き下げが行われれば、地域医療が疲弊することは明らかとし、再診料の統一は病院(60点)を診療所(71点)の点数に引き上げることで行うよう主張している。
神奈川県保険医協会は1月20日、政策部長談話を発表した。「前回は本体プラス財源1000億円すべてを入院に充て、さらに400億円を捻出するため外来をマイナス改定とし入院に振り向けた」と前回改定の「財源移転」を説明。「今回は外来と入院を区分けし明示したことで、外来と入院の間の財源移転が禁じられた」と指摘した。その上で「再診料を統一するなら病院60点を診療所71点に引き上げるのが筋」と強調。「病院の再診料を71点にする必要財源は220億円。外来の改定財源400億円で十分に賄える」と主張した。
京都府保険医協会は、1月18日に発表した改定の「現時点の骨子」に対する理事長談話の中で「診療所にとって再診料および外来管理加算の引き下げは死活問題であり、診療所の疲弊により地域医療の崩壊に拍車を掛けるため、絶対に認められない」と強調した。
外来管理加算については、北海道保険医会が1月15日に発表した「要請」で「外科系医療機関に比べて、処置などを実施することがないために診療報酬上の評価が低かった内科系医療機関の再診料を補填する目的でつくられた内科再診料が始まり」と説明。
「名称が外来管理加算に変更されたが、今の厳しい状況下で外来管理加算を廃止・削減することは医療機関にとって死活問題」と訴えた。
東京保険医協会は1月16日に発表した声明で、財務省は誤ったデータを故意に流していると批判。「医療機関の事業収入である診療報酬を、あたかも医師個人の収入であるかのように論じ、病院と診療所、診療科間の収支差額格差をことさら強調して、医療従事者の分断を図ろうとするのは、極めて有害なもと言わざるを得ない」と指摘した。(1/22MEDIFAXより)