再診料と地域貢献加算を批判/野党の医系議員  PDF

再診料と地域貢献加算を批判/野党の医系議員

 2010年度診療報酬改定で診療所の点数が2点引き下げられ病院と統一された再診料と、新設された地域医療貢献加算をめぐって、3月19日の参院厚生労働委員会で野党の医系議員が長妻昭厚生労働相に詰め寄った。自民党の西島英利参院議員は「(医療費を)底上げすると言ったのに、なぜ下げたのか」と述べ、診療所の再診料を引き下げた真意をただした。地域医療貢献加算については、共産党の小池晃参院議員が「配慮があまりにも足りない点数」とし、同加算の導入を強く批判した。

 再診料の病診統一に関して、西島氏は「勤務医の負担軽減は大歓迎」とした上で「開業医はオーナーであり、自分で借金を返したり税金を払っていかなければいけない」と説明。医療経済実態調査(実調)については「(開業医の)本当の収入を反映していない」と指摘し、再診料の統一に関する長妻厚労相の見解を求めた。

 実調のデータについて、長妻厚労相は「開業医の数値は給料ではなくて収支差額。それが全部、自分の給料ではない。単純な比較でないことは、私も理解している」と述べた。その上で「開業医の皆さまも地域医療の担い手として日夜、努力をされておられるので、例えば夜間の対応などによって加算(地域医療貢献加算)をさせていただく」と理解を求めた。

●夜間対応だけが地域貢献でない

 その地域医療貢献加算を批判したのは小池氏。「地域医療貢献加算はいかがなものかと思っている。(医師が)患者に緊急時の連絡先を知らせて夜間対応できるようにするというが、夜間対応だけが地域医療への貢献なのか」と指摘し、自治体の集団検診や学校医の引き受けなども地域医療への貢献ではないかと主張した。

 その上で「地域医療への貢献が夜間対応だけで評価される仕組みになってしまって、一方で再診料が引き下がってしまうと、地域の開業医の皆さんが公益活動に参加することを後退させてしまいかねない危険性がある。地域医療の危機に拍車を掛けることにつながりかねず、配慮があまりにも足りない点数と言わざるを得ない。本気で大幅な見直しをやってもらいたい」と、同加算の抜本的な見直しを求めた。

 これに対し長妻厚労相は「スタートする前に変えることは考えていない」と述べ、地域医療貢献加算を現時点では見直さない考えを表明。ただ「(新たな)診療報酬をスタートさせて、具体的に医療の現状が改善されたかどうか、今まで以上に検証していこうと考えている」とし、改定の影響は十分に検証する考えを示した。(3/23MEDIFAXより)

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