再診料「69点が議論のスタートではない」/中医協・安達委員
中医協診療側委員の安達秀樹氏(京都府医師会副会長)は、取材に対して「これまでの改定論議は、どうしても再診料の増減が注目されがちだが、本来は診療所の新たな役割に対してどう評価するかを議論するべきだ。病院医療と同様に、診療所に期待される機能に対して診療報酬を付けることを基本姿勢としてもらいたい」と指摘した。2012年度改定に向けた今後の中医協の協議については「再診料の議論をするならば(現行の)69点が議論のスタートとは必ずしも思っていない」と述べ、10年度改定で引き下げられた再診料(診療所)の回復も一つの課題として取り組む意向を示した。
●外来管理加算の適正化を牽制
診療所の報酬では、再診料、外来管理加算、地域医療貢献加算の評価と、在宅医療への適切な評価が、支払い側との協議のカギになる。支払い側が11年末に提示した次期改定に対する意見書に外来管理加算の適正化を盛り込んだことに対して、安達氏は「平場での議論が行われていない上、(支払い側は)データも提示しておらず、その意図が十分理解できない。全診療科で算定できる現行体系を見直したいということであれば、診療内容の仕分けが必要になる。再診料、外来管理加算、地域医療貢献加算の包括化は(われわれは)考えていない」と牽制。「外来管理加算は、過去のプラス改定の時代にもともと内科加算だったのを全診療科に対象を広め、外来管理加算とした経緯がある。それを見直すためには、議論するためのデータが必要だ」と強調した。
●地域医療貢献加算は「準夜帯電話対応加算」
地域医療貢献加算については、支払い側と診療側ともに次期改定で評価の充実を求めている。安達氏は「地域医療貢献加算は、救急などでの病院勤務医の負担軽減を進めることを目的に設定された。次期改定では、その算定要件をもっと分かりやすくすることで、診療所が地域医療で果たすべき役割を明確にし、多くの診療所で診療報酬を算定してもらいたい」と述べた。その上で「もともとの趣旨はコンビ二受診の多い準夜帯の対応であり、いわば“準夜帯電話対応加算”ともいえるものだった。まずはこの点を明確にした上で、その他の時間帯も含むものや、輪番制などの選択肢を導入する手法も考えられる」と提案した。
さらに、診療所の役割として在宅医療を促進するためには、在宅療養支援診療所と一般診療所での看取りなどの診療報酬格差を是正すべきとした。(1/6MEDIFAXより)