再生基金、1次補正対象外の民間医療機関に/宮城県
宮城県は、東日本大震災からの復興に向けて前倒しで交付されることになった地域医療再生臨時特例交付金(地域医療再生基金)の15億円について、国が1次補正予算で打ち出した支援策の対象外となった民間医療機関の支援に充てることを決めた。8月9日の県地域医療推進委員会で示した。民間医療機関への支援を要請していた宮城県医師会の嘉数研二副会長は「1次補正予算ではいろいろな条件があり、地域医療に貢献しているのに外される医療機関もあった。今回の施策は非常に大きなことだ」と述べた。
県内の医科診療所で1次補正予算の補助対象となっていないのは、全壊した48施設と半壊した25施設。今回の再生基金の前倒しによって、建物や医療機器の整備など再建に向けた経費について1000万円を上限に2分の1を補助する。病院で1次補正予算の対象外となったのは全壊(相当を含む)が11施設、半壊が1施設。3000万円を上限に2分の1を補助する。歯科診療所、薬局も支援する。
8月下旬に開く予定の県議会で可決されれば9月にも施行する見込み。
●再建目指す医療機関への支援「時間との戦い」
宮城県医は、震災で全壊した民間医療機関の意向を調査した。近隣地で再開した医療機関が55施設、近隣地で再開予定が3施設、仮設で診療中が7施設、勤務医として診療しているが再建したいとの回答が5施設だった。一方、勤務医を続けるとの回答が6施設、閉院が8施設だった。検討中の医療機関のうち再建の可能性ありとの回答が10施設だった。嘉数副会長は「再建を目指している医療機関への支援は時間との戦い」と述べ、3次補正予算での適切な対応を求めた。(8/16MEDIFAXより)