公費拡充は「意見の大勢」/高齢者医療改革会議最終まとめ  PDF

公費拡充は「意見の大勢」/高齢者医療改革会議最終まとめ

 厚生労働省の高齢者医療制度改革会議(座長=岩村正彦・東京大大学院教授)は12月20日、後期高齢者医療制度廃止後の新たな高齢者医療制度に関する最終取りまとめを大筋で了承した(資料1、後掲30ページ)。厚労省が前回示した最終案に加え、財源について「国費をはじめとする公費の拡充を図るべきことは改革会議の意見の大勢」との文言を盛り込み、政府・与党が進める税と社会保障の一体改革の方向性と歩調を合わせるべきとの考えを打ち出した。

 さらに、「医療サービスが良質で効率的なものでなければ、そのための費用を負担することに国民の納得は得られない」と言及。あるべき医療提供体制や診療報酬、介護との連携などの議論を精力的に進め「早期に国民に具体策を示していく必要がある」とした。

 日本医師会や民主党の高齢者医療制度改革ワーキングチームなどが問題視している70−74歳の窓口負担の段階的引き上げについては、「受診抑制につながるおそれがあり、そもそも現役世代の負担割合を含め引き下げるべきとの意見があった」と記述する方
針だ。

●2011年1月にも地方との協議、知事会は不服
 厚労省はまた、新たな高齢者医療制度の関連法案提出に向け、11年1月にも地方と協議を始め、国保が抱える構造的問題などについて議論することを提案した。

 しかし、最終取りまとめで新制度の運営主体を都道府県とされたことを不服として神田真秋委員(全国知事会社会文教常任委員長)は「なぜ今まで(地方との協議を)してこなかったのか。手順が逆」として参加しない意向を表明。最終取りまとめ全般に関しても「反対に回る」と明言した。

●「通常国会提出へ調整進める」/細川厚労相
 会議の冒頭で細川律夫厚生労働相は、新制度の関連法案提出について「法案の提出を見送るような考えは一切ない。次の通常国会に提出を目指す」と述べ、与党との調整や、全国知事会をはじめとする関係団体との調整を進める考えをあらためて表明した。

 会議の最後に挨拶した藤村修厚労副大臣は、民主党の国会対策委員会幹部と協議し、改革会議の方向性に基づいた関連法案を政府として提出することに「一応、了解を得た」と説明した。その上で、今後の国と地方との協議も踏まえて、提出に踏み切る考えを示した。(12/21MEDIFAXより)

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