全都道府県に訪問看護ネットワークセンター/厚労省、12年度までに  PDF

全都道府県に訪問看護ネットワークセンター/厚労省、12年度までに

 厚生労働省は2009年度から、訪問看護事業所の業務を効率化するための「広域対応訪問看護ネットワークセンター」を都道府県と政令指定都市に設置する事業を始める。小規模事業所などで業務負担が増えていることを踏まえ、介護報酬の請求事務や医療材料の確保などを請け負うことが目的。都道府県と政令指定都市、または委託された団体などに設置する予定だ。厚労省は4月8日付で都道府県などに実施要綱を通知した。

 同事業は全額国庫負担で、12年度までに全都道府県・政令指定都市での設置を目指す。厚労省は「在宅療養の充実のために、自治体には協力をお願いしたい」(老健局老人保健課)としている。

 同事業に当たっては、都道府県看護協会や医師会の代表者、訪問看護事業者らで構成する「訪問看護推進協議会」を設置し、計画立案などを行う。自治体や同推進協議会が適当と認める場所にセンターをつくり、(1)介護報酬などのレセプト作成や利用者への料金請求を代行する「請求事務等支援事業」(2)新規の利用者に関する相談窓口など「コールセンター支援事業」(3)特定治療材料や衛生材料の供給システムを整備する「医療材料等供給支援事業」─を実施。センターは複数の訪問看護事業所と連携し、同事業を行うことになる。

 全国訪問看護事業協会が07年に実施した調査では、赤字経営の訪問看護事業所は約3割に上った。職員数が10人以下の小規模事業所ほど赤字割合が高く、業務負担の軽減や事業規模の拡大が必要と指摘されている。厚労省は今回のセンター事業により、小規模事業所をはじめとした訪問看護事業所の経営の安定化を図る考えだ。(4/20MEDIFAXより)

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