全社連「医療メディエーター」養成で成果/事故紛争報告数が減少  PDF

全社連「医療メディエーター」養成で成果/事故紛争報告数が減少

 社会保険病院など全国で52施設の医療機関を運営する全国社会保険協会連合会(全社連)は、病院内で医療事故が発生した際、「医療メディエーター」を通じて問題解決を図る取り組みなどが成果を挙げている。裁判などの紛争につながる恐れのあるケースを対象に、全社連が各病院から受けている「事故紛争報告」は、 2008年11月時点で14件にとどまり、前年同期の29件から大幅に減少。通常、年間を通じて40件前後に及ぶ報告数は、08年度は30件を下回ることが見込まれている。

 全社連は08年6月に「医療有害事象・対応指針」を取りまとめ、小冊子を同年9月に作成。約2万人いる社会保険病院の全職員に配布した。同指針は、01年に作成した「医療の安全対策マニュアル」の改訂版の位置付けで、全社連の社会保険病院医療安全対策委員会が設けたワーキンググループが指針案策定の作業を担い、米国ハーバード大医学部関連病院の医療事故対応指針も参考にした。

 同指針は、(1)初期行動、(2)真実説明、(3)謝罪、(4)調停(メディエーション)、(5)根本原因分析、(6)補償、(7)事故報告―の7項目を柱とし、「有害事象発生時の対応」から「患者と家族への真摯な対応」「医療者への対応」「有害事象の管理」に至るまで簡潔に記載し、医療事故発生時の具体的な対応方法について周知徹底を図った。(1/13MEDIFAXより)

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