入院基本料・訪問看護などで特別措置/診療報酬で厚労省
厚生労働省保険局医療課は9月6日、東日本大震災対応として岩手・宮城・福島の3県にある保険医療機関の診療報酬算定について、入院基本料の施設基準や在宅医療・訪問看護の回数などで特別措置を講ずる課長通知を地方厚生局や都道府県などに発出した。当面、2012年3月末までの措置とした。
特別に扱われる診療報酬算定の項目は▽入院基本料の施設基準▽病院の外来閉鎖▽在宅医療・訪問看護の回数▽新薬の処方制限▽歯科診療録関係。
入院基本料については届け出をすれば、平均入院患者数の取り扱いを「震災後の入院患者数の平均」として、直近1カ月での1日平均入院患者数で算定可能とした。震災で看護要員(看護師・准看護師・看護補助者)が減少した保険医療機関については▽1日当たりの勤務看護要員数▽看護要員数と入院患者の比率▽看護師・准看護師数に対する看護師の比率―について、変動が2割以内であれば変更の届け出をせずに震災前の入院基本料を算定できることとした。月平均夜勤時間数も変動が2割以内であれば届け出は不要。後方病床が足りずに平均在院日数が超過した場合も、2割以内の変動であれば届け出ずに算定できることとした。
医師不足によって病院が外来を閉鎖しても、届け出により入院について保険診療ができることとした。在宅医療を行う医療機関が、やむを得ずに外来を閉鎖して在宅療養に専念する場合も届け出により保険診療が可能とした。
また、通常は週3回を限度としている在宅患者訪問診療料については、病床不足で通院困難な患者に在宅診療を行う場合に限り、診療報酬明細書への付記を条件に週3回を超える算定を認めた。訪問看護での在宅患者訪問看護・指導料、訪問看護基本療養費も同様の取り扱いとした。
新薬処方については、仮設住宅に入居したために最寄りの医療機関までの交通手段がない場合には、14日を超える処方を認めた。歯科関係では、震災で診療録がなくなった場合には、歯冠補てつ物・ブリッジの装着日が不明でも装着から2年が経過したものとして取り扱うこととした。(9/7MEDIFAXより)