入院医療の雇用環境改善を/京都府医・森会長
京都府医師会の森洋一会長は10月6日の医療経済研究機構シンポジウムで、医療再生への方策を短期と中長期に分けて示し、短期的には次期診療報酬改定で入院医療の雇用環境の改善などを図る必要性を強調。中長期的には、医療と介護を雇用創出という点で内需拡大の起爆剤にすべきと提案した。
森会長は、医療崩壊の原因を「医療費の不足と医師不足による過重労働に行き着く」と指摘した。短期的には次期改定で医療費全体のかさ上げをすべきとし、開業医と勤務医の所得格差に着目するのでなく、「そもそも勤務医の所得が適切かという評価が必要」として、大学の勤務医や教官の給与引き上げを今後の論点に位置付けた。
一方、中長期的な対策では、医療と介護分野の雇用拡大策を推進すべきとの考えを示した。医療事務補助者を大量採用できるよう診療報酬上の評価を行い、介護従事者の給与も引き上げることで失業率の改善が期待できると提案。医療・介護に1兆円ずつ投入することで計45万人分の雇用が確保されるとのデータを紹介し「産業、経済構造の内需シフトへの起爆剤になる可能性が大きい」と話した。(10/8MEDIFAXより)