入院初期の包括点数/引き上げDPC分科会が了承、一部の分類で
中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は6月29日、次期診療報酬改定での調整係数の段階的廃止後の包括評価の在り方に関する検討を始めた。この日は、入院初期の医療資源投入量が非常に大きい診断群分類について、入院期間1の点数を、1日当たり包括範囲出来高点数の平均に引き上げる厚生労働省の提案を了承した。さらに、入院初期の医療資源投入が少ない分類や、包括払いの範囲の見直しについても、今後詰める。
入院期間1は、入院初日から診断群分類ごとの平均入院期間の25パーセンタイル(がん化学療法の短期入院などは5パーセンタイル)までで設定している。現行のDPC制度では、入院期間1は各診断群分類の1日当たり平均点数に15%を上乗せして評価。入院期間1の最終日から平均入院期間日までの間(入院期間2)は、診断群分類の1日当たり平均点数から入院期間1で上乗せした分が差し引かれる形となっている。
厚労省は8割の診断群分類で現行の評価が適当としたが、次期診療報酬改定から、前年度収入を保証していた調整係数が段階的に廃止されることを踏まえ、入院初期に医療資源投入が大きい診断群分類の評価の方法を「実態に近い形にする必要がある」とし、(1)入院期間1の引き上げ分を15%から25%に引き上げる(2)入院期間1の点数を同期間中の包括範囲出来高点数の平均に設定する―の両案を提案。分科会では(2)が妥当とする意見が大勢を占めた。入院期間1で引き上げられた分は入院期間2で差し引かれる。
入院初期の資源投入量が少ないケースについて、厚労省は入院期間1の上乗せ分を10%に引き下げ、平均入院期間から入院期間の標準偏差の2倍までの間(特定入院期間)の引き下げ分を現行の15%から10%に変更する案を示し、今後検討することにした。
厚労省はこのほか、現行のDPC制度で包括評価されている範囲の見直しも提案した。委員からは▽抗がん剤など高額薬剤▽高額医療材料▽術中迅速病理診断―については包括範囲から除外すべきだとの意見もあった。今後、継続して検討する。(6/30MEDIFAXより)