入院・外来・在宅医療で「今後の方向性」/中医協で厚労省  PDF

入院・外来・在宅医療で「今後の方向性」/中医協で厚労省

 厚生労働省は10月5日の中医協総会で「入院・外来・在宅医療について(総論)」を提示した。「社会保障・税一体改革成案」に沿った内容で、入院・外来・在宅医療の観点から、医療現場が抱えている課題や、改革の方向性などを整理している。

 入院医療の課題や今後の方向性としては、勤務医の負担を軽減させつつ、患者の状態に応じた診療を行い、さらに平均在院日数を減少させるために、急性期への医療資源の集中投入を含めた入院医療の機能分化を進めていくべきとした。その際、病棟機能ごとに必要な病床数の検討も含めて、高度急性期、一般急性期、亜急性期など患者の状態に応じた診療報酬体系についても検討する必要性があるとした。

●慢性期患者の報酬体系を整理
 さらに、一般病棟で在院日数が90日を超える長期入院患者の大部分が特定除外患者(出来高払い)であり、医療療養病棟の長期入院患者(包括払い)と診療報酬上の評価が異なっているため、さまざまな患者が混在せざるを得ない地方の病院の特性に配慮しつつ、慢性期患者の診療報酬体系を整理すべきとした。地域に密着した病床が高度急性期から亜急性期までの医療の中でどのような役割を果たすかや、診療報酬上の評価についても今後検討すべきとした。

 外来医療の課題と方向性では、病院が専門外来やセカンドオピニオンなどの役割を担う一方、診療所が一般外来の受け入れを拡大するなど、役割分担を進めていくべきとした。また、専門外来やセカンドオピニオンを積極的に行っている専門医療機関の評価や、地域の取り組みとして診療所と地域の拠点病院が連携しながら外来診療するケースの評価も検討項目に挙げた。

●在宅の看取り機能を評価へ
 在宅医療の課題と方向性では、在宅の看取り機能を充実させる観点から、▽自院に複数の医師や24時間連絡対応できる看護職員を配置するなどシステム的な緊急時対応を行っている在宅療養支援診療所▽在宅療養支援病院などと連携し自院で在宅医療や看取りを行っている診療所▽周辺に診療所がなく、訪問診療や往診を行う在宅療養支援病院─の評価を検討する方針を掲げた。

 要介護認定者には訪問看護を介護保険で提供することになっているが、急性増悪を頻回に起こすなど医療の必要性が高い患者については一時的に医療保険で訪問看護を提供することになっており、こうした患者の状態に応じて必要な医療が提供される仕組みについても検討する必要性を指摘した。(10/6MEDIFAXより)

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