健保組合の解散増加に否定的見解/厚労省
健保組合の解散が相次いでいる問題で、厚生労働省は9月12日の社会保障審議会医療保険部会で、健保組合や政管健保の財政状況について説明した。健保組合の保険料率が政管健保並みになった場合でも、健保組合としてのメリットがあり「直ちに解散につながるものではない」との認識を示した。
田河慶太保険局保険課長は、健保組合のメリットとして、(1)窓口負担に対する上乗せ給付や人間ドックの実施、(2)労使による福利厚生の決定、(3)保険料を労使折半でなく事業主負担を多くすることが可能―などを挙げ、今後の解散の増加に否定的な見方を示した。4月から9月1日までの健保組合の解散数は13組合で、2003年度同期の28組合、04年度同期の21組合と比較して「客観的に見て少ない」とも指摘した。
西濃運輸や京樽の健保組合解散については、保険料率がもともと政管健保と同じ、あるいは近かったことや、前期高齢者の加入率が低いことによる負担増などの影響を指摘。08年度中の解散を厚労省に相談している健保組合が4組合あることも明らかにした。
これに対し、対馬忠明委員(健保連専務理事) は「03、04年当時は老人保健制度への拠出金負担が重く、解散が多かった。近年は前期高齢者への拠出金負担の影響が極めて深刻」と述べ、前期高齢者の医療に対する公費投入を求めた。(9/16MEDIFAXより)