個別ワクチンの議論は小委員会で/予防接種部会  PDF

個別ワクチンの議論は小委員会で/予防接種部会

 厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療研究センター総長)は7月7日、個別ワクチンなどの議論のために小委員会を設置することを決めた。小委員会に参加する委員や構成については、厚労省が次回の部会で提示するとした。

 部会で、厚労省はHibや肺炎球菌、HPVなどの8疾病・ワクチンについてのファクトシートを提示した。ファクトシートは、米国ACIP(ワクチン接種に関する諮問委員会)で対象疾患やワクチンの情報を整理するために活用されている。今回のシートは国立感染症研究所が中心となって作成。作成に当たっては▽対象疾患の基本的知見▽予防接種の目的と導入により期待される効果▽ワクチン製剤の現状と安全性等に関する事項─などについて、臨床の部分については予防接種推進専門協議会(委員長=神谷齊・国立病院機構三重病院名誉院長)から、ワクチンの需給や開発状況はそれぞれのワクチン開発企業から情報を得た。今後の部会などでの議論に利用する。

 部会終了後、厚労省新型インフルエンザ対策推進本部事務局の鈴木康裕次長は記者らに対し、予防接種法の抜本改正について「早ければ年内に部会の結論を出す構えで準備したい」とした。「2011年の通常国会に提出したい」とも述べた。

●費用負担「全額国費で」

 古木哲夫委員(全国町村会副会長・山口県和木町長)は部会の席上、HPVワクチン助成などに対して市民の関心は高いとした上で「市町村の財政状況に寄るところが大きい」と指摘。予防接種の費用負担について「地域間に格差があってはならず、国の責任で実施すべき」とした。ほかの委員からも予防接種の費用負担について「全額国費」を求める声が上がった。(7/8MEDIFAXより)

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