信頼性のある財政再建を/諮問会議で麻生首相  PDF

信頼性のある財政再建を/諮問会議で麻生首相

 経済財政諮問会議は4月17日、2010年度予算編成の基本方針を示す「骨太の方針09」と、持続可能な社会保障制度構築と安定財源確保に向けた「中期プログラム」の改訂に向けた議論を本格的に開始した。麻生太郎首相は同日の諮問会議で、追加経済対策で大規模な財政出動をした後の財政健全化について「中期の財政責任をきちんと果たさなければならない」とした上で、「多くの借金を次世代に残していくのは問題。信頼性のある財政再建の取り組み方針を検討してほしい」と求めた。

 与謝野馨経済財政担当相は諮問会議終了後の会見で、中期プログラムの改訂は「持続可能な財政、持続可能な社会保障制度、負担は広く分かち合う―という3つの思想が根底に流れている。将来の世代に負担を残さないようできるだけ努力する」と語った。

 新たな財政再建の目標については「基礎的財政収支(プライマリーバランス・PB)の黒字化の考え方を捨てたわけではない。どういう状況で到達するのが望ましいかがポイント」と述べ、PBの黒字化を到達するまでの道筋を示す必要性を指摘した。また、「具体的な目標を掲げるときは、年次は入ってくる」とした。

 また、与謝野経済財政担当相は、「骨太の方針06」で掲げられた社会保障費の自然増から毎年2200億円削減する方針について言及。「誤解してもらいたくないのは、今ある社会保障費から削るという話ではない」と前置きした上で、「高齢化で必要な社会保障費は当然認める。その中でも倹約や効率化を進めて、2200億円くらいは増える分から切っていこうという話」と説明した。さらに、「2200億円(削減した分)は、必要なところには予算上の措置はしているのも事実」と付け加えた。

 麻生首相は同日の諮問会議で、政府の安心社会実現会議と連携していく考えを表明。次回以降の安心実現集中審議の内容などを踏まえて「議論の成果は基本方針09や中期プログラムにも反映していきたい」と語った。(4/20MEDIFAXより)

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