保険料率の激変緩和より「保険者機能強化を優先」/
協会けんぽ運営委
全国健康保険協会運営委員会は、協会けんぽ(旧政管健保) の都道府県単位の保険料率設定に向けた激変緩和措置の在り方について議論した。委員からは、協会の保険者機能強化を優先した上で、地域ごとの保険料率是正に取り組むべきとの意見が出た。
協会けんぽの保険料率は2008年9月までに都道府県単位で設定することとなっているが、現行の保険料率との差が大きい自治体があった場合は、13年9月まで激変緩和措置を講じることになっている。
協会側は、このほど固まった09年度政府予算案で、1000億円の国庫補助が復活したことなどにより「全国平均で現行の保険料率(8.2%) を維持できる」と述べた。その上で、07年度の都道府県別医療費から年齢構成や所得水準を調整した保険料率が、最高の北海道で8.88%、最低の長野で7.84%になるとする試算を示し、激変緩和について意見を求めた。
埴岡健一委員(東京大特任准教授) は「現在の医療費の都道府県別構造には医療機関や医療提供体制、行政の責任が大きい」と指摘。激変緩和について、最初の3年間は医療の質や費用分析など、協会の保険者機能を強化した上で、「後の2年間で事業主などの負担に反映させるべきだ」と主張した。(1/5MEDIFAXより)