保険料徴収は09年2月から開始/産科補償制度で運営委
2008年度中の創設を目指す産科医療の無過失補償制度で、運営組織の日本医療機能評価機構は7月14日、第1回運営委員会を開き、制度運営に関する具体的な検討を始めた。同機構からは、保険金を扱う民間保険会社が金融庁の商品認可を受けたことを踏まえ、対象を09年1月1日以降に生まれた脳性麻痺児とし、09年2月から加入分娩機関からの保険料徴収を始める方針が示された。
同機構によると、加入分娩機関が支払う保険料は1分娩当たり3万円。運営組織は当月に分娩した妊産婦に関する情報について加入分娩機関からインターネット上で報告を受け、翌月に郵送で各分娩機関に保険料を請求する。各分娩機関が保険料分を分娩費用に上乗せすることが予想されるため、厚生労働省は制度創設に合わせて出産育児一時金を3万円引き上げる方向で準備を進めている。
脳性麻痺児に対する補償額は1人当たり総額3000万円となる。看護・介護の基盤整備のための準備一時金として600万円を支払うほか、20歳まで年間120万円(合計2400万円) の分割金を給付する。20歳までに対象児が死亡した場合でも分割金は支払われる。
運営組織内には、運営委のほか、補償対象かどうかを審査する「審査委員会」、医学的な原因分析の結果を当事者にフィードバックする「原因分析委員会」、原因分析結果を踏まえた再発防止策の検討や情報公開の在り方を検討する「再発防止委員会」などを設置する。また、補償審査についての異議、不服についての対応策を検討する「異議審査委員会」や、原因分析の結果、重大な過失が明らかと思われた場合に分娩機関側との補償金の調整に関して検討する「調整委員会」も設置する。
今後は、補償対象かどうかを判断する上で、現行の身体障害者認定基準や認定要領に代わり、早期の認定ができる診断基準の作成や、原因分析に必要な提出書類の種類や提出要領などについての検討も進める。(7/15MEDIFAXより)